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【Press Release】 山梨県が感染者搬送に特化した車両を保健所4ヵ所に導入

山梨県のロゴが入った感染者搬送車両 ベースはトヨタの人気車種「ノア」

新型コロナウイルス対策で先手対応、事前主義の方針を貫き、
抑え込みに成功している山梨県の次なる一手は、
軽症者搬送に着目した、早期発見・早期治療
=県対策本部・医療機関・保健所・消防との連携強化と役割の「集中と分散」を実現=

2021年3月31日午前10:30より、山梨県福祉保健総務課が仕様を策定し、入札を通じて発注していた「感染者対応車両」4台が県庁に納車され、県内4か所の保健所への引き渡し式が行われました。当日は晴天にも恵まれ、県庁前広場には完成されたばかりの感染者搬送車両が勢ぞろい。特殊車両の付加機能に関するさまざまな説明とレクチャーが、約1時間半にわたって行われました。各保健所から集まった担当者職員は、自分たちが活用することになる特殊車両の付加機能について、メモを取り、質問を投げかけながら、真摯に耳を傾けていました。

今回、山梨県から受注したのは山梨トヨペット株式会社(山梨県甲府市 代表取締役社長:髙野 孫左ヱ門)。トヨタのミニバン「ノア」をベースに求められたきめ細かい仕様をクリアして、今回の納車に漕ぎ着けました。そして、仕様を満足させ、感染者搬送車両としての機能向上を図るための企画・開発・製造を一貫して受け持ち、サポートを行ったのが、本協会(一般社団法人医療・福祉モビリティ協会)のメンバーである株式会社エスティサポート(埼玉県東松山市 代表取締役社長:笹川 修一)。医療・福祉に関わる多くの特種用途車両及び機器の設計・製造・販売を手掛けてきた技術・ノウハウを発揮し、山梨県福祉保健総務課から「単に仕様を満たすのみならず、意図を汲み取った提案型の開発・製造により、予想以上の出来栄えとなった」と高い評価を受けました。

県庁前に並んだ感染者搬送車両

県庁前に並んだ感染者搬送車両

熱心に説明を聞く保健所の職員

熱心に説明を聞く保健所の職員

  1. 運転席側と後部座席側の「完全隔壁」を目指すとともに、後部座席の状況を正確に把握できる確認窓
  2. 車内の運転者・同乗者・搬送される患者の感染防止を徹底する排気システム(換気装置)ならびに、排出する空気を過して安全性を担保するHEPAフィルターの実装
  3. 軽症者(無症状者を含む)の搬送を主眼とし、自宅への迎車を想定。山道・狭路・雪道・アイスバーンなどの地域特性を配慮して、可能な限り運転の負荷が少なく走行性能に優れたミニバンタイプの4WD
  4. 車椅子で乗り降りできる福祉車両としての機能を兼備
  5. 除菌・消毒・清掃の容易性に配慮した床面
  6. 搬送者と患者の意思疎通を円滑化する双方向のインターフォン
  7. 簡便な医療機器・検査機器の使用を可能とする電源設備(AC100V用コンセント:300W相当)
密室度が高い隔壁と大きな確認窓

密室度が高い隔壁と大きな確認窓

双方向で通話・操作できるインターフォン

双方向で通話・操作できるインターフォン

独立した電源装置によるコンセント

独立した電源装置によるコンセント

山梨県のロゴが入った感染者搬送車両 ベースはトヨタの人気車種「ノア」

山梨県のロゴが入った感染者搬送車両
ベースはトヨタの人気車種「ノア」

車椅子を安全かつ容易に昇降させる電動スロープ

車椅子を安全かつ容易に昇降させる電動スロープ

山梨県の新型コロナウイルス対策

山梨県における新型コロナウイルス感染症の発生状況は、累計感染者数が965人で死亡者数が19人(3月29日現在)。これは、都道府県ごとの感染者数累計において、12番目に低い数字となっています(最も多い東京都は120,572人、最も少ない鳥取県は241人 3月30日現在)。山梨県が首都圏に隣接していることを考えれば、抑え込みに成功している自治体の1つとして数えることができるはずです。
なお、山梨県では先手対応、事前主義の方針のもと、感染症患者発生以前から対策を進めてきており、感染者発生後には①新型コロナウイルス感染症から県民の生命・健康を守るための「感染拡大防止と医療提供体制の整備」、②当面の県民生活の安定を確保するための「県民生活に与える影響の最小化」、③新型コロナウイルス感染症を「災害」と捉え、県民生活の基盤となる地域経済に及ぼす影響の封じ込めと極小化のための「県内経済の安定化・反転攻勢に向けた対策」を3本柱に、短期的には回復に向けた緊急対策、中期的には跳躍に向けた支援策を、体系的に整理して、対策を講じているのが特徴です。その一環として知られているのが、飲食店や宿泊施設にお墨付きを与える「グリーン・ゾーン認証」。また、高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種を巡っては、県が選定したモデル市町村を先行して接種を実施することとなっており、さまざまな点で「山梨モデル」ともいえる独自性が発揮されています。

新型コロナウイルス対策における感染者搬送車両の位置付け

今回の感染者搬送車両の導入も、県の方針と対策との整合性を持っています。保健所に感染者を安全に搬送できる機能を付加することで、早期発見・早期治療へと結び付けることはもとより、県対策本部・医療機関・保健所・消防におけるリソースの一元化を目指す中で、感染者搬送車両はさらなる連携強化を図るとともに、個々の役割における「集中と分散」を実現するための「触媒」として位置付けられています。重症者は消防署の救急車、軽症者は保健所が有する感染者搬送車両という棲み分けを行うことにより、それぞれの負荷が分散されるとともに、状況と役割に見合った対応が可能になる期待しています。

山梨県福祉保健部 福祉保健総務課のコメント

主事 田村 隆一氏
「福祉保健総務課を中心に仕様の策定を行ったのですが、納車された車両には要求仕様を一歩進めた提案やアイディアが盛り込まれており、私たちの想像を超える完成度となりました。今後、感染者搬送車両は山梨県新型コロナウイルス感染症関係総合対策本部(県庁内)の指示系統に基づき、主に軽症者の搬送で利用されますが、これにより1人でも多くの患者様に安心感を提供するとともに、感染対策を担う消防・保健所の負荷が軽減されることを期待しています。また、本県では新型コロナウイルス感染症を“災害”と捉えており、コロナ後の新たな感染症など脅威に対しても、確かな備えになると実感しています」

山梨トヨペット株式会社のコメント

ビジネスサポートグループ 金子 俊一氏
「新型コロナウイルスという未曽有の危機に瀕して、微力ながら社会貢献に携われたことを非常に嬉しく思っています。今回の経験を礎に、これからも、必要なところへ、必要な車両を積極的に提案していきたいと考えています」

一般社団法人医療・福祉モビリティ協会

超高齢化社会の鍵を握る「地域包括ケアシステム」、気象変動に伴う豪雨・台風などの高頻度化と被害の大規模化や地震大国ならではの対策が不可欠な「自然災害」、そして多くの感染者と死亡者を出し、経済の大混乱を招いたCOVID-19(新型コロナウイルス)を踏まえたアフターコロナ・ポストコロナへの仕組みづくり……。
当協会は、まさにさまざまな課題に直面している医療・福祉の領域において、業種・業界の垣根を取り払い、より多くの技術・ノウハウ・知見を結集して、モビリティ(移動手段)の観点から「未来の医療・福祉のあるべき姿」を追究し、イノベーションを共創していくことを目的としています。
設立:2021年1月15日
代表理事:二宮 宣文
所在地:〒141-0032 東京都品川区大崎4-2-13-402
Website:https://mwma.jp
問い合わせ先:一般社団法人医療・福祉モビリティ協会 事務局
Tel:03-6420-0447
Fax:03-6420-0448
e-mail:jimukyoku@mwma.jp

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